【日本人初】アンソニー・ロビンズ公認トレーナー 内藤将貴 Official Website

頑張っているのに、人生がうまくいかないのはなぜか


「こんなに頑張っているのに、どうしてうまくいかないんだろう…」

これは、私がこれまでに1万人以上のクライアントと向き合う中で、何度も聞いてきた言葉です。
彼らは決して怠け者ではありません。むしろ人一倍努力してきた人たちです。
遅くまでオフィスに残り、休日も返上し、家族や友人との時間を犠牲にしてまで走り続けてきた。
それなのに、成果が出なかったり、結果が出ても虚しさしか残らなかったりするのです。

ある女性は、相談の席でこう言いました。

「もうこれ以上、どうしたらいいのかわかりません…」

彼女の手帳はびっしりとタスクで埋まり、目標はいつも達成していました。
でも達成した瞬間にまた新しい目標が降ってきて、彼女は終わりのないマラソンを走らされているようでした。

そのときの彼女の気持ちは、かつての私自身でもありました。
成功するために、誰かに認められるために、がむしゃらに働き続けた20代。
気づいたときには、心も体も壊れ、借金だけが残っていました。
それでも私は思っていました。

「もっと、もっと頑張らなきゃ。」

でも、ある瞬間に気がついたのです。

「方向が違えば、どれだけ頑張ってもゴールにはたどり着けない。」


◆ 頑張っても報われないのは、あなたのせいではない

心理学者キャロル・ドゥエックは、人が成長するためには「失敗から学ぶ姿勢」が大切だと言います。
しかし実際には、多くの人が「失敗しないために」頑張り続けています。
これは大きな違いです。

例えば、ある男性の話です。
40代の営業マネージャー。部下の成績管理から顧客対応まで、自分が背負い込み、休みなく働いていました。
彼は言いました。

「みんなのために頑張るのが、俺の役目だと思ってました。」
でも結果は、心が蝕まれ、家庭も壊れ、会社からの評価も頭打ちになりました。

頑張っても報われないのは、あなたが足りないからではありません。
ただ、地図が間違っているだけなのです。


◆ 頑張る人ほど陥る「空回りの罠」

スタンフォード大学の実験で「学習性無力感」という現象が確認されています。
犬を檻の中に閉じ込め、どんなに頑張っても逃げられない状況を繰り返すと、
逃げ道が開かれても動かなくなる。
「どうせ無理だ」という感覚が、努力する力を奪ってしまうのです。

この状態が人間にも起きます。
失敗するたびに「自分が悪い」と思い、さらに無理を重ねる。
やがて無力感に支配され、方向も見えなくなります。

私自身もそうでした。借金、うつ、孤独。
「頑張らなきゃ」と言い聞かせるほど、深い沼にはまっていったのです。


◆ 成果を出しても、なぜ満たされないのか

たとえ結果が出ても、幸せになれない人もいます。
高収入で、地位もある。周囲から羨ましがられる。
それでも、ふとした瞬間に思うのです。

「このために生きてきたのか?」

心理学で「到達の空虚感」と呼ばれる現象があります。
目標を達成しても、その充実感は一瞬で消え、また新しい目標に追われる。
経済学者リチャード・イースタリンの研究でも、一定以上の収入を超えると幸福度はほとんど上がらないことが示されています。

本当に必要なのは、もっと稼ぐことや、もっと称賛されることではありません。
正しい地図を持つことなのです。


◆ 頑張り屋が知らない「人生の本当のルール」

私がアンソニー・ロビンズやラリー・ギルマンから学んだのは、こういうことです。

「肩書きや鎧を置いて、本来の自分でいるほうが、ずっと人とつながれる。」

一時期、私は人にすごいと思われたくて、肩書きをたくさん並べ、スーツを着込み、笑顔を作り続けていました。
でも、ラリーに言われました。

「鎧を脱げ。自分を守っているつもりで、それが人を遠ざけている。」

その言葉どおりにしてみると、面白いことに、売り上げが自然と上がっていったのです。
特別な努力もしていないのに。

本来の自分でいるときこそ、力が発揮され、人生が動き始める。
その邪魔をしているのが、エゴ。
恐れ、見栄、他人の期待が、地図を歪め、間違った道を走らせるのです。


◆ これまでの頑張りには意味があった

「じゃあ私はこれまで無駄なことばかりしてきたんですか?」

そんな風に聞いてくるクライアントもいます。
そのたびに私はこう答えます。

「いいえ、無駄なんてありません。その経験がなければ、今この瞬間に気づけなかったでしょうから。」

心理学では「探索的学習」と呼ばれます。
間違ったやり方や道も、実は学習のプロセスの一部であり、そこで得た忍耐や洞察は必ず後で活きるのです。

どんな意味があったのかは、すぐにわかる時もあれば、時間が経ってから気づくこともあります。
田坂広志先生は、著書の中でこう書かれています。

「人生で起こる出来事には、すべて意味がある。
しかし、その意味が見えるのは、その時ではなく、ずっと後になってからである。」

私のメンター、ブレア・シンガーもこう言いました。

「宇宙は間違いを犯さない。」

あなたが今ここにいるのは、過去のどの一歩が欠けてもありえなかったのです。
そのすべてが、意味のあるプロセスでした。

だから、どうか覚えておいてください。

「これまでの頑張りは無駄だったのではなく、意味があったのです。」


◆ まとめ:正しい地図を手に入れる

あなたの努力は、決して無駄ではありませんでした。
でも、その地図が間違っていたなら、今こそ書き換えるタイミングです。

ここまで読んでくれたあなたに問いかけたい。

「その地図は、あなたが描いたものですか?」

地図を正しいものに書き換えるとき、これまでの頑張りがすべて意味を持ちはじめます。
走るスピードを落としても、ゴールは確実に近づいてくるのです。

私が見てきた本当の成功者たちは、みなこう言います。

「力を抜いた自分のほうが、ずっと強かった。」

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください